子供に勉強をさせるためには結局お金がいいという話
今回の記事では『子供に勉強をさせるためにどのようにしてご褒美を与えるとよいのか』ということを取り上げていきたいと思います。
本記事の構成は以下の通りになります。
✔ご褒美をあたえるのは理にかなっている
✔ご褒美を与えるための適切な課題設定
✔ご褒美に適しているもの
✔ご褒美を与えるのは正しい
ご褒美をモチベーションに勉強をさせることがなぜ正しいのかということ
解説していきます。
そもそも子供の時に勉強をすることと将来の収入には相関関係があるために子供の際に勉強をすることは大きなメリットがあります。
おそらく子供自身もそのことは分かっていると思います。
しかしなぜ大きなメリットがあるのに行動できないのか?これは遠い先の大きい利益よりも目先の小さな利益を優先してしまう傾向が人間にはあるためです。
これは大人であっても同じです。
禁煙に成功した際のメリットは大きいにもかかわらずついついあと一本と吸ってしまう。
ダイエットして理想の体型、健康状態にすることのメリットは大きいにもかかわらず、目の前のケーキを食べてしまう。
このように人間は目先の小さな利益を優先してしまう生き物であるために、勉強といったリターンがかえってくるのが当分先のようなものに対して高いモチベーションを保つことは元来難しいのです。
そこでご褒美の登場です。
ご褒美を設定することで、本来であれば遠く先にしかメリットがなかった勉強でも、目先にメリットを置くことができます。
つまり、ご褒美とは人間が目の前の利益を優先してしまうという性質を上手に利用した理に適った行動なのです。
ちなみに、
『勉強をご褒美で釣るとは何事か!そんなことでは勉強自体を楽しめなくなる子供になってしまうのではないか?』といった質問も飛んできそうなのでお答えするとご褒美の有無で勉強自体の好き嫌いに変化はないということが統計的にご安心を(笑)
✔ご褒美を与えるための適切な課題設定
ここまででご褒美を与えた方がよい。
という結論にはなりましたがそもそもご褒美の為には
何か試練を課さなくていけません。
この課題設定でも良い課題と悪い課題があります。
以下2つのご褒美をもらうための課題を用意しました。
皆様はどちらがより良い結果を生むと感じますか?
①『次の学力テストでX点以上取れば〇〇をあげよう』
②『今から2時間~を勉強すると〇〇をあげよう』
これは研究の結果によると②の方が結果が出やすいという報告が出ています。
なぜでしょうか?
これは課題設定の仕方が【インプット型報酬】なのか【アウトプット型報酬】なのかという違いに起因します。
インプット型報酬とは
結果を出すためにする行動に報酬を与えることです
例えば、教科書を読むとかドリルを解く、、、などです
アウトプット型報酬とは
結果に対して報酬を与えることです
例えば、テストの点数、通知表の成績、、、などです
今回の問題では
①が【アウトプット型報酬】で
②が【インプット型報酬】に当たります
そして研究の結果、
ご褒美を与える際は【インプット型報酬】にする方が良いという結果が出ています。
なぜならば、どちらの課題であったもご褒美が提示された時点で子供のモチベーションは高まっていますが、【アウトプット型報酬】であるとそこにどうやって到達すればいいのか分からない状態に陥ってしまいます。これではやる気があるけどなにをすればいいのか分からないとなってしまいます。
一方で【インプット型報酬】であると、何をすればいいのかが明確です。
もし【アウトプット型報酬】をどうしても出したい場合は、そこに到達するまでに何をすべきなのかという明確な指針を子供に与えてあげると良いでしょう。
ご褒美に適しているもの
最後にご褒美となるような物はなにがいいのかという話ですがこれは
4歳以下であればお金以外の好きなもの
小学生であればお金
が良いという結果が出ています。
ご褒美にお金を与えるなんて若干生々しいかとは思いますが研究の結果ご褒美の際に一番結果が出やすいのはお金と出ているみたいです(笑)
まとめ
子供にご褒美を与えて勉強をさせることは理にかなっている行為です。
ただしご褒美の与え方としては課題設定はインプット型報酬にしてご褒美は4歳以上の子供であればお金が一番良い結果を生み出しやすいです。
今回の記事は下記書籍『学力の経済学』の内容を基に作成したものですのでこの手の話が好きな方は是非ご一読なさってください。
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