Fin_IT

FinanceとITに関する記事をメインに。

相場と期待値

今日は期待値についてお話ししたいと思います。

期待値について

そもそも期待値とはなんでしょうか?

Wikipediaさんによると

確率論において、確率変数の期待値とは、確率変数のすべての値に確率の重みをつけた加重平均である。

 となっております。

少々表記が数学チックなので簡単な例で対応させましょう。

サイコロの出目の期待値を計算したい場合

ここでは確率変数とはサイコロの出目に対応します。

すなわち、確率変数は{1,2,3,4,5,6}となります。

一方で各々の目の出る確率は1/6なので

期待値は確率変数のすべての値に確率の重みをつけた

加重平均とのことなので

サイコロの出目の期待値

=1×1/6+2×1/6+・・・6×1/6

=3.5

が答えになります。

このように期待値とは確率が介在する、すなわち運要素が介在する

全ての事象で計算することができます

私たちの身近な物で期待値計算できるものとしては

宝くじが挙げられます。

宝くじでは当選金額と当選確率が発行枚数によって計算されます。

ちなみに、昨年の年末ジャンボでは1等の7億円の確率は

0.000005%だそうです。(笑)

これらの各等の金額と確率の加重平均を計算しますと

およそ、150円くらいになります。

宝くじの元手は1枚300円ですので、投資という観点からは

購入した瞬間元手が半分になるクソゲーということになります。

(一方で一夜にして億万長者になれるという夢を買うことができる点で期待値だけでは言い切れない部分がありますが・・・(笑))

 

相場と期待値

先述した通り期待値というものは運要素が介在するものには必ず出てくる話なので当然期待値は株式投資やFXにおいても考えるべき事象なのですが、どのような関わり方をするのでしょうか?

ここで突然ですが一つ問題を出します

直観でもいいのでお答えください。

 

投資手法が2つあります。

1つ目:勝率80%でリスクリワードが5:1

2つ目:勝率20%でリスクリワードが1:5

どちらの手法を実践したいですか?

下からは回答になります

 

 

こちらは以前に同じ問題をTwitterにてアンケートを取りました

以下が皆様の回答です。

 Twitterでは勝率80%の投資手法が優勢であったので、読者の皆様でも

1つ目の投資手法を実践したいと考えられた方はいるのではないのでしょうか?

しかし、お気づきの方もおられるとは思いますが

上記の投資手法の期待値計算をすると、

2つ目のほうが期待値が高く、加えて言うと

1つ目の投資手法では期待値が-の投資なのです。

実際に計算してみますと、

1つ目の期待値

=0.8×1-0.2×5

=-0.2

2つ目の期待値

=0.2×5-0.8×1

=0.2

という計算になります。

この例から申し上げたいことは、

勝率だけを追い求めた投資はナンセンスだということです。

そもそも勝率を上げるためには相場の方向性を確実に読む必要がありますが

そんなこと神にしかできないでしょう。

それよりも大事なことは、

リスクリワードを考えること、すなわち資金管の部分です。

リスクリワードがなぜ大事かというと、こちら側で操作できる数字だからです。

リスクリワードを1:5にしたければ、ポジションを持った際に損切ラインに対して

利確ラインをその5倍の値幅を持たせるように予め決めておけば良いのです。

ここからは私の予想なのですが多くの投資家は

損小利大、すなわちリスクに対してリワードが極めて小さいトレードをしてしまいがちです。

この話は下の記事でも少し触れたのですが、

損失額は確定したくない。という感情が芽生えてしまう一方で

利益額に対しては、早く利確したいという感情が出てしまい、

結果的に、損小利大のトレードになってしまいます。

 

stock-study.hatenablog.com

しかし、先ほど計算した通り、リスクリワードをうまく調整しないと

勝率80%の投資でも普通に負け組トレーダーになってしまうのです。

 

このことから私は普段の投資では

損切は浅いところでサクサク行い

利確は利を引っ張れるところまでは伸ばす意識で投資を行っています。

 

勝率だけに惑わされない、資金管理に長けた投資家を目指しましょう!