子供への投資は『いつ』、『なに』に対して行うとコスパが良いのか?
今回の記事では子供への投資という議題について
扱いたいと思います。
本記事のソースは下記書籍『学力の経済学』を基に書き上げました。
それでは早速本題のクエスチョン
子供への投資は『いつ』、『なに』に対して行うとコスパが良いのか?
に対する回答から申し上げます。
ズバリ、、、、
『とにかく小さいうちに、非認知能力を伸ばすような投資をすべき』
というのが答えになります。
それではなぜそのような結論に至ったのかをご説明したいと思います。
いつ投資すべき?
そもそも問いにある『コスパ』についてなのですが
教育の収益率、すなわち
『1年追加的に教育を受けたことによって子供の将来の年収がどのくらい上がるのか』ということを指します。
下記グラフをご覧ください。
このグラフはノーベル経済学賞を受賞したヘックマン教授らの著書に掲載されているのものの概略図なのですが、子供への投資の収益率は早ければ早いほうがコスパがいいということを表しています。
幼児教育が著しい効果を示すということは実際の研究結果からも分かっています。
『ペリー幼稚園プログラム』という研究をご存じでしょうか?
アフリカの貧困家庭の子供を対象とした実験で、小学校入学前の3~4歳を対象に週5日、読み書きや歌のレッスンを施したグループと施さなかったグループの子供たちのその後の人生を追跡したところ、以下のような結果が統計学的に優位にでました。
幼児教育を行ったグループの子供たちは行わなかったグループに対して
・6歳時点でのIQが 高い
・19歳時点での高校卒業率が 高い
・27歳時点での持ち家率が 高い
・40歳時点での所得が 高い
・40歳時点での逮捕率が 低い
この結果は幼児教育がその後の人生に大きな影響をもたらすということを示しています。
ここまでで子供の教育への投資は早ければ早いほどよいということが分かりました
何に投資すべき?
続いて何に投資をすべきなのかという点についてお話していきます。
先ほどの『ペリー幼稚園プログラム』の結果から考えると、
読み書きや歌のレッスンをさせるといいのではないか?というように感じるかもしれませんが実はそうではないのです。
なぜならば、ペリー幼稚園プログラムの追跡の結果、8歳時点で対象群(プログラムに参加しなかった子供たち)とのIQとの差に優位な差は見られなかったことも明らかになっているのです。
このことからIQや学力テストといった『認知能力』を上げることに関しては幼児期の教育は長期で持続するものではないといことが分かります。
それではペリー幼稚園プログラムで子供たちは一体何を学ぶことでその後の人生に大きな影響を受けたのでしょうか?
それは『非認知能力』です。
非認知能力とは先ほど述べた認知能力とは違って、人間の性格や気質のような特徴を指します。また非認知能力は人から学び、獲得するものであることがヘックマンらによって述べられており、ペリー幼稚園プログラムでは子供たちはたくさんの子供たちと接することでこの非認知能力を伸ばすことができたためにその後の人生に大きな+の影響を享受することができたのです。
記事の最後に本の中では非認知能力の中でも特に大事な要素が2つあると述べられておりましたので、それらについて少し述べたいと思います。
非認知能力の伸ばし方
非認知能力の中でも特に大事な2つの要素とは『自制心』と『やり抜く力』です。
自制心、やり抜く力が高い子供はその後の学歴及び将来の所得が高いことは明らかになっております。
『自制心』の鍛え方としては、何かを継続的に行うことで向上することが知られています。
『やり抜く力』を伸ばすには、心の持ちようが大切です。
最近の研究結果から『自分の能力は生まれつきではなく、努力によって後天的にのばすことができる』と信じるものはそうでないものに比べてやり抜く力が高いという結果がでています。
まとめ
以上の話をまとめますと、子供の教育はできるだけ早い時期に非認知能力を伸ばすことに時間、お金をかけるとその後の人生に大きな影響を与えることができます。
お子さんをお持ちの方は参考にしてみてはいかがでしょうか?
以上で本記事を終えたいと思います。ありがとうございました。