豪ドルと中国の指標発表の連動性
今回はオーストラリアの通貨である豪ドルの値動きと中国の指標発表の連動性ついてお話ししたいと思います。
結論から申し上げると、
豪ドルは中国の指標発表に大きく影響を受けるので通貨をホールドする際にはオーストラリアの指標発表だけでなく中国の指標発表にも注意すべきです。
この記事では上記の結論に対しての根拠である
✔過去中国指標発表時の豪ドルの値動き推移
✔なぜ連動するのか?
✔豪ドルを持つ際に気をつけたいこと
について述べたいと思います。
✔中国指標発表時の豪ドルの値動き推移
中国の重要指標と豪ドルの値動きの関係性は2019年3月29日(金)の終値と2019年4月1日の始値の乖離に如実に表れています。
というのも2019年3月31日は中国の超重要経済指標のうちの一つ、「製造業購買担当者景気指数」の発表があり、この値が市場予想の49.5を大きく上回る50.5を記録し、このインパクトが市場に初めて伝わるのが4月1日の始値にあたるためです。
よって、今回は2019年3月29日(金)の終値と2019年4月1日の始値の乖離を中国の重要指標に対する各通貨の感応度と仮定して検証してみたいと思います。
豪ドルが中国の指標発表と強く相関性のある通貨だと言うためには豪ドル以外の通貨の値動きとの比較も必要になるので今回は
豪ドル/円
ドル/円
ユーロ/円
ポンド/円
の4通貨にて値段に対する上げ幅を見たいと思います。
その結果がこちらです。
豪ドル/円 78.66 ⇒ 79.00 (+0.43%)
ドル/円 110.811 ⇒ 111.022 (+0.19%)
ユーロ/円 124.291 ⇒ 124.651 (+0.28 %)
ポンド/円 144,292 ⇒ 144.767 (+0.32 %)
やはり豪ドルの上げ幅が一番高く、ドル円にたいしては2倍以上の値上げ率を記録しています。
値動きの荒いポンドと比べてもこの時は豪ドルの方が激しい値動きになっていることが分かります。
この結果は豪ドルは中国の指標発表に強く相関があるという結論をサポートします。
同様に他の中国の重要指標発表時の値動きを見ても豪ドルの動き方が他の通貨に比べてかなり荒くなるという現象は観測できます。
✔なぜ連動するのか?
なぜ連動するのかについてはオーストラリアの貿易状況を考えると分かります。
資源大国であるオーストラリアは輸出する主な品物は鉄鉱石、石炭、石油、金といったものが大半です。
これらの資源を諸外国に輸出して外貨を大量に稼いでいるわけですが、どこの国がこのような資源を買ってくれるのでしょうか?
以下はオーストラリアの輸出金額に対する各国の割合を示したグラフです。
なんと中国だけでオーストラリアの総輸出金額の3分の1以上を占めているのです。
これは中国の経済状況≒オーストラリアの経済状況といっても過言ではありません。
中国が落ち込むと中国が資源を買い渋るようになるのですから。
これが中国の指標と豪ドルに相関関係がある由縁です。
✔豪ドルを持つ際に気を付けたいこと
ここまで中国の指標発表が豪ドルに大きな影響を及ぼすということについて述べてきましたが、中国の指標発表時間は事前に通知されないものもあります
大抵の指標は事前に発表時間が決められているのですが、たまに突発的に発表されることがあるので、そのような場合は突破的に値動きが荒くなるのでそのことを心に留めたうえでポジションを取るようにしましょう。