Sell in May 【平成の株価を用いて検証】
みなさまこんにちは。
とある大学院生(@stock_study_)です。
早いものであと一週間で5月、平成の日々も残り少なくなり、着々と新元号である令和にて向かいつつあります。
そんな5月を目前にして今回の記事は
相場でのアノマリーとされる ”Sell in May” についての解説及び検証を行っていきたいおと思います。
Sell in May について
Sell in May とは世界の金融市場の中心地として知られるアメリカのウォール街にて発祥した相場の格言です。
Sell in May には続きがあり
"Sell in May, and go away; don’t come back until St Leger day.”
が全文となります。
直訳すると、
「5月に売り切って相場から離れなさい。セントレジャーディ(9月の第2土曜日)まで相場に返ってくるな。」という訳になり
6月から8月までは軟調の相場が続く,
すなわち、Sell in Mayとは5月は相場の転換点となりやすいアノマリーを意味する相場格言がです。
本来は米国株のアノマリーなのですが、米国株と日本株の値動きにはある程度の相関関係がありますので米国株が下がれば日本株も下がるということで日本人投資家の中にも"Sell in May"を意識されている方も多いのではないでしょうか?
このことが本当にそうなのかということを日経平均株価30年分すなわち平成30年間の日経平均株価を用いて検証してみましょう。
Sell in May を検証してみた
✔用いた価格
✔期間
5月のどのあたりに売ればよいのかという指示は指定されていないので今回は簡単のために5月の最初の日の株価に対して9月の第2週の株価がどうなったかということを調べたいと思います。
"Sell in May "が機能しているとすれば5月に比べて9月の株価は下落していることが予想されます。
具体的な数字としては
{(9月第二週の株価/5月初日の株価)-1} × 100
という式を用いて値動きの%を算出致しました。
こちらが検証結果です。
横軸が年度、縦軸が上記の計算式で求めた%です。
これをみると若干-の年度の方が大きいという感じでしょうか?
定量的に"Sell in May"が機能するのか判定するために期待値計算を行いたいと思います。
期待値は
上昇確率×平均上昇数(%)-下落確率×平均下落率(%)
にて算出します。
各々を求めると
上昇確率42%,平均上昇数8.2%
下落確率58%,平均下落率9.49%となり
期待値は-5.51%と算出、すなわち
期待値的には下落しやすいという結果が得られました
これより確かに"Sell in May"の相場格言は期待値的な面では
正しいことが述べられていることが分かりました。
ただし、30という非常に少ないデータ数で求めた期待値であるためあまり、信憑性のあるデータとは言えないため心にとどめておく程度でよいと思います 笑